部活紹介 弓道部

真夏の、ある土曜日の朝。

ギンギンと照りつける太陽の下で次々と矢が飛んでいく。

弓道部

今回は弓道部を取材した。実際に練習している様子を見せてもらえるということで、峰キャンパスのグラウンドの一角にある弓道場を訪問した。中に入ると、準備中の部員のあたたかい雰囲気が迎えてくれた。和気あいあいとした様子が見えたのも束の間、いざ練習が始まると空気ががらりと変わった。部員全員が並んで正座をし、神棚に向かって参拝する。「お願いします」という凛々しい声が道場中に響き渡る。一人ひとりの真剣な眼差しに心を打たれた。

部員にインタビュー

練習の合間を縫って、3年生の渡辺 孔紀(わたなべ こうき)さんに話を伺った。

弓道の奥深さ

弓道を全く経験したことがなかった私は、はじめに弓道の難しさとは何か、ということについて尋ねた。すると予想外の回答が。渡辺さんは「弓道に難しいところはない」と断言した。「的に向かって矢をまっすぐに当て、的中すれば1得点という非常にシンプルなスポーツだ」と話す。しかし、シンプルな競技だからこそ、ミスをしてはいけないというプレッシャーを強く感じるという。さらに、他のメンバーが的中したかどうかによって、自分の精神状態が左右されてしまうこともあるらしい。渡辺さんは、9年にも及ぶ弓道歴を持ち、高校時代は県大会の個人戦で優勝を果たしインターハイにも出場している、ベテラン弓道家である。そんな渡辺さんでさえも、未だに緊張との戦いに苦戦することがあるということを知り、弓道の奥深さを感じた。「常に自分との戦いなので、弓道をやっていると気持ちが強くなる」と話す渡辺さん。彼の放つたくましい風格の根底には、長年続けてきた弓道の存在があるのだろうと思った。そこで、そんな渡辺さんの心を掴んで離さない弓道の魅力とは一体何なのかを尋ねてみた。それは「矢が当たってドーパミンがドバドバと溢れ出る瞬間」だという。的を射るのと同時に、頭も射られてしまうのだろう。とてつもない緊張感のなかで矢を当てた時の達成感に勝るものはないようだ。

苦労したこと

次に、今までの活動のなかで苦労してきたことについて伺った。渡辺さんは「なかなか思うように矢を当てることができない期間があった」と話した。いわゆる“スランプ状態”である。そのような時はいつも仲間に支えられて乗り越えてきたという。「弓道部には良い人がいっぱいいる」、「辛い時は一人で抱え込んでしまってはダメ」と話す渡辺さん。和気あいあいとしたムードを作る弓道部の仲間の存在が、渡辺さんの心の支えになっていた。

また、昨年の新型コロナウイルスの感染拡大により、長らく活動が禁じられていたという逆境もあった。「コロナ期間のせいで、モチベーションが下がってしまった」と話す渡辺さん。しかし、今年4月に活動を再開したところ、8人もの新入部員を迎え入れることができたという。長い間活動こそできていなかったが、弓道部は決して廃れてはいなかった。現在は、過去に例を見ない爆発的な感染拡大により、再びサークル活動が禁止されている状況にある。しかし、情勢が落ち着きまた活動ができるようになれば、活気に溢れた仲間と共に切磋琢磨し合う日々を取り戻すことができる。その日が来るまで、どうか希望を持ち続けていてほしいと思う。

部活サークルに入り損ねている人へメッセージ

最後に、部活動やサークルに入りたいと思っているが、なかなか入ることができていない人に向けてのメッセージを伺った。「部活動は、貴重な大学4年間の大切な思い出の一つになるから、もし迷っていたら前向きに入部を考えて欲しい」と話していた。弓道部は初心者も大いに歓迎しているようだ。何かに挑戦してみたい、と思っている貴方。楽しい仲間と共に弓道を始めてみてはどうだろうか。

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宇都宮大学弓道部 

毎週土曜9:00から活動

HP▶︎http://udai-hoshinkai.com/

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