【大谷#2】ISLAND STONE COFFEE ROASTERS〜person ver.〜

2021年3月22日2021年4月19日

「自信というより覚悟。」

#1ISLAND STONE COFFEE ROASTERS〜shop ver.〜の続き

　40歳にはとても見えない北舘さんは、東京生まれ、栃木育ち。全国転勤後にUターンした2児の父である。前職の大手インテリア雑貨チェーン勤務時には、関東圏、時に青森の店舗までを渡り歩き、現場の最前線で店長として活躍していた。しかし、この時の北舘さんは会社を良くしようという思いよりも、自身のスキルアップへの思いのほうが大きかったという。東京でエリアマネージャーをするまでになったが、家庭との両立や人間関係の希薄さに疑問を抱き始め、半分はその環境からの逃げ、半分は地元を盛り上げたいという前向きな気持ちで４年前、栃木に帰ってきた。前職のスキルとUターン人材であることを強みに、知人を介しROCKSIDE MARKETに入社し、第２のキャリアをスタートさせた。1年前に系列店のISLAND STONE COFFEE ROASTERSの立ち上げに携わり、北舘さんは両店舗のマネージャーとして励んでいる。考えや仕事の幅が広がり、生活も充実し、この選択は良かったと語る。

　しかし、ISLAND STONE COFFEE ROASTERSのオープンはコロナの影がチラつく2020年3月。自信があってのスタートだったのだろうか。この質問に対して北舘さんは「自信というより覚悟。この事業は大谷に必要だと思ったから。」と答えた。物腰柔らかな北舘さんの芯の強さを垣間見た一言だった。栃木県の雇用を守ること、地域の魅力を上げること、つながりをつくること。この店のもつ役割の大きさを改めて思い知った。大谷全体を盛り上げたい思いで、今回synchismoのクラウドファンディングのリターンにも協力している。この町への貢献に関することなら前向きに応援したいそうだ。

　取材を始めて１時間半以上経ち、見渡すともう満席の店内は、お客さんが思い思いの時間を過ごしていた。この店に人が集う理由がよく分かった。地元のおっちゃんにはちょっとおしゃれすぎる、かもしれないこの店に、近い将来、この思いと魅力を知ってみんなが集う日を楽しみにしよう。