【大谷#5】レポ OHYA BASE

大谷でできることを増やす場所

 ランチをしたPuntoのタカハシさんに紹介されてOHYA BASE(オーヤ・ベース)にやってきた。大谷の人たちの輪を改めて感じる。大谷資料館に行く分かれ道を反対側に曲がり、少し奥に入ったところに立地しているため、秘密基地のような特別感がある。synchismoのフライヤーを置いてもらう交渉に乗じて、スタッフの女性に色々と話を聞いてみる。大谷という新しい開拓地。しかし、この場所もまた、地域に根差し、地域を生かし、馴染もうとしていた。

 OHYA BASEは、複合施設のようなつくりをしており、前方にレストランOHYA FUN TABLE(オーヤ・ファン・テーブル)、後方に大谷の拠点OHYA BASEがあり、今回入ったのは、後方のOHYA BASE。またもや去年(2020年)の3月にスタートした、新しい風である。個性豊かなインテリア、沢山の本、大谷グッズ、ダイナミックな木の梁、パソコンに向き合う人、立ち寄った観光客らしき人たち、父と子。暖かい土曜日の昼下がり、静かでなんとも言えない幸福感が漂っている。上記で「大谷の拠点」と形容したが、実際にはここをどう表していいか分からない。この開放的な空間は、コミュニティスペース、レンタルオフィス、ワークショップスペース、カフェ、イベントの出発点など訪れる人によって様々な意味を持つ。「OHYA UNDERGROUNDプロジェクトに携わる4つの会社の拠点でもある」とお話を聞いていると、その中の1つ、NATURE PLANET(ネイチャー・プラネット)の社長さんが偶然訪れて会話に入ってきてくれた。アウトドアアクティビティを企画・実施しているそうだ。またもや大谷コミュニティの距離感の近さと人の豊かさに心打たれた。「まだまだ大谷はできることが沢山あり、ここだからできることをしたい」と女性スタッフは語ってくれた。焼き物やカフェなど固有の地域ブランドをもつ益子町や黒磯町のように、「大谷の色」をつくっている途中だそうで、その構想を聞いて私までわくわくした。

 ここで生まれ、育まれるコミュニティは絶対に、素敵で穏やかで強いものだろうなという確信に似たものを感じた。当たり前のようにほかの店のショップカードを置き、お勧めをする。それは、「お互いさま」だからできるすごいことだと思う。大谷全体を盛り上げたいという共通の思いを今日だけで何回も聞いた。若いエネルギーかつ謙虚さが、この小さい町だからこそ必要で、それが魅力になっていると感じた。

 私もせっかくなので、買ったばかりのMacBookにWi-Fiを繋ぎ、作業してみた。初めて訪れた場所なのに、とても居心地がよい。同行した友人は、レンタルオフィスの利用者で事業をしているという男性と意気投合し、会話を弾ませていた。そんな様子を見ながら、今回大谷を訪れてみて、たったの半日で何人の人と知り合いになっただろうと考えていた。こんなことは閉鎖的な交流に慣れてしまっていた私は久しぶりで、大谷の自然と人の温もりに心が洗われた。ワンドリンクオーダーで気軽に入れ、自由に時間を過ごせる憩いの場所だったので、ちょっとモヤモヤしたときは、気分転換にまた来よう。

  • OHYA ABSE(オーヤ・ベース)
  • 住所  :〒321-0345 宇都宮市大谷町1240
  • 営業時間:11:00〜17:00
  • 休業日 :水曜日
  • 電話  :028-678-8657
  • 駐車場 :有