常食厳禁!身近に潜む悪い油

こんにちは! トミーです。

今回は、全てのカロリーが同じではないvol.11です。油の話をしていきます。

食生活に気を遣う上で、油に気を遣っているという人、少ないのではないでしょうか。油に気を遣うことは、盲点でもありかなり大切なことです。油にも、積極的に摂るべき油と、なるべき避けるべき油があるからです。

今回は、なるべく避けた方がいい油とその理由を紹介してきます。

最初に言っておくと、現代において、今から紹介する悪い油を完全に避けることはほぼ不可能です。あまり几帳面にならずに、知識を得た上で、なるべく減らすように行動していきましょう。

常食厳禁!!摂取量を減らすべき油

結論から言います。以下の油の摂取量はなるべく減らした方が良いです。

摂取量を減らすべき油

  

格安サラダ油(キャノーラ油・コーン油・大豆油など)

  

格安オリーブオイル・格安ごま油

   

加工食品の原材料「植物油脂」「マーガリン」「ショートニング」「ファットスプレット」

身近な物ばかりですね。いきなり驚かせてしまってすみません(笑)。

もちろん、全く摂取してはいけないというわけではありません。しかし、常食は厳禁です。その主な理由は、以下の3つです。

摂取量を減らすべき理由

◎加工過程が多い

◎遺伝子組み換え作物(GMO)が原料

◎人工固形油・人工半固形油

またまた馴染みのない言葉が挙げられていると思います。これから解説していくので許してください(笑)。

また、格安オリーブオイルはオリーブオイル以外の油を混ぜられた偽物です。純度100%のオリーブオイルではありません。それを前提に話を進めていきます。

格安ごま油も同様です。安売りされているごま油の原材料を見てみると、「食用ごま油、食用なたね油」などと表記されていると思います。ごま油の場合はわかりやすいですね。

加工過程が多い

先ほど挙げた油は、加工過程が多い油です。格安油の典型的な加工過程を見てみましょう。

格安油の典型的な加工過程

種、実、豆類

洗う

押しつぶすorすりつぶす

溶剤に溶かす

150℃で沸騰させ固体を除去する

ガム質を分離するため水を混ぜる

アルカリを加える

粒子除去のため、高速回転

110℃で漂白

フィルターにかける

230℃で蒸して脱臭する

冷やしてフィルターにかける

保存料と泡止め剤を加える

包装

うう……気が遠くなるほど工程が多いですね。

このような加工過程で、抗酸化物質が取り除かれ、酸化も進みます。

抗酸化物質には油を酸化から守る働きがあります。また、私たちの身体が酸化するのも防いでくれます。酸化とは、簡単に言えば「錆(サビ)」のことで、老化や疲労の原因の一つです。抗酸化物質、ありがたいですね。

抗酸化物質が取り除かれると、油の酸化の進みが速くなるのは言うまでもありません。

油は、熱、光、酸素により酸化します。

・加工過程の3回にわたる高温加熱

・透明や半透明の容器で包装されて光が直撃する

・購入後に開栓して空気に触れる

・調理に使い加熱される

抗酸化物質が取り除かれている状態でこのような過程を得ると、口に運ぶ時点で油の酸化がかなり進んでいるのは言うまでもありません。スーパーに並んだ時点で酸化が進んでいると指摘する人もいるくらいです。

・肝臓への負担がかかる

・血管にダメージを与え動脈硬化のリスクを上げる

・DNAを壊して発がんを促す物質が含まれている

酸化した油の摂取による弊害の例です。他にもありますが、それはこの後お話しします。酸化した油を摂ると言うことは、劣化した油を摂ることに等しいです。油が全ての細胞膜の原料になったり、多くのホルモン(身体の状態に関わる重要な物質)の原料になったりすることを考えると、摂取を控えるにこしたことはありません。

遺伝子組み換え作物(GMO)が原料

GMOの表示義務がない

格安油に使われる穀物や種がGMOであることは、意外な盲点ではないでしょうか。日本に輸入される外国産の菜種、大豆、トウモロコシの大半はGMOです。また、現行の食品表示制度では、食用油はGMO材料を使っていても表示義務はありません。大半の格安油の中身は、菜種油や大豆油、コーン油です。知らないうちにGMO食材を摂ってしまっていることになります。

日本は残留農薬基準を緩和した

格安油の原料はほぼ確実にGMOであるということができます。それは、以下の2つの事実があるからです。

格安油の原料はGMO!それを示唆する2つの事実

◎日本で流通している多くの植物油の原料は、米国やカナダ、オーストラリアやブラジルから輸入された大豆や菜種、トウモロコシであること。

◎上記4国で栽培されている大豆、菜種、トウモロコシのほとんどがGMOであること。

なるほど、日本は植物油の原料の多くを海外から輸入しており、それらがGMOであるのですね。

GMOの長期的な安全性については、不明確な部分が多いです。しかし、GMOを栽培するときにもれなく使われる除草剤は、極めて危険だと言われています。

そこで今回は、GMO自体ではなく、GMOの残留農薬に焦点を当てます。発がん性のある農薬がGMOに残留しているのです。

GMO作物の栽培の際に、ラウンドアップと呼ばれる除草剤が使われます。この主成分であるグリホサートに発がん性があると国際がん研究機関(IARC)は指摘しています。また、グリホサートやその代謝物が母乳や精子にも高濃度に蓄積されます。将来子供を授かるのであれば、自分の子供にも悪影響が及びます。

グリホサートの有害性が指摘され、世界的には規制の動きが強まっている中、日本は残留基準を緩和しました。今までより残留農薬値が高くても輸入して良いですよ、という状態になったのです。2017年の改正により、菜種は4倍、大豆は、1.5倍、とうもろこしは5倍に緩和されています。

グリホサートの害は短期間では現れず、長期的の積み重ねにより現れます。気を配らずに摂取を続ければ、自分の将来にも、自分の子供にも悪影響が出てしまいます。そのことを考えると、私たち大学生は今から気を遣うべきだと思います。

果糖ブドウ糖液糖の原料もGMOとうもろこし

清涼飲料によく使われる果糖ブドウ糖液糖の原料はとうもろこしです。こちらもGMOが使われている可能性が非常に高いです。特別飲みたいときや、「今日はしょうがない!」と割り切る日以外に飲む量を減らしていくことをおすすめします。

人工固形油・人工半固形油のトランス脂肪酸

最後に人工固形油と人工半固形油の話をします。これには「マーガリン」「ショートニング」「ファットスプレット」が該当します。

これらは、加工食品をより美味しくするために使われることが多いです。例えば、ショートニングはクッキーのサクサクした食感を出すために使われています。

これらの油は、液体の植物油脂(菜種油や大豆油、コーン油)に水素を添加させて固形又は半固形状にしたものです。つまり、先ほど説明したような過剰な加工過程とGMOの問題があります。

それに加えて、水素を添加する過程でトランス脂肪酸というものが生成されます。これは世界的に規制が進んでおり、WHOもトランス脂肪酸の摂取は総カロリーの1%未満に抑えるよう警告しています。日本のトランス脂肪酸の摂取の平均値0.6%というデータがあります。このデータを元にして、日本人はトランス脂肪酸の事をあまり気にしなくていいという風潮になっています。

しかし、このデータは生まれたての赤ちゃんから寝たきりの高齢者までの全ての年齢層を含めた平均値です。外食や加工食品を多く食べる人はトランス脂肪酸を取り過ぎている可能性が高いです。実際、特定の年齢層だけを母集団としてトランス脂肪酸摂取量を測ると1%を優位に超えたという話もあります。

トランス脂肪酸による悪影響の例

◎細胞膜が硬くなる(がんや心臓病、動脈硬化のリスクが上がる)

◎虚血性心疾患のリスクが上昇

◎認知機能低下

◎不妊症のリスクが上がる

トランス脂肪酸による悪影響の具体例です。まだ大学生には無縁のものが多いです。しかし、認知機能の低下や不妊症のリスク上昇など、近い将来のうちに弊害になりそうなものもあります。

油の選び方はとても大切

いかがだったでしょうか。食事への気遣いにおいて、油は意外な盲点だったのではないでしょうか。

油は3大栄養素の一つ。全身の細胞膜を作り、多くのホルモンの材料となり、エネルギー源にもなる重要な物です。少しずつでも良いので気を遣っていくと、短期的にも長期的にも、心身の健康を維持することに一役買うのは間違えないでしょう。

次回は、積極的に摂るべき良い油と、安全な油の見分け方、そして、具体的な行動方法を紹介します。具体的な行動方法はレベル別になっています。良い油を多く取り、悪い油をなるべく減らすことを無理のない範囲で実践できる手助けになれば幸いです。

今回は以上です。皆さんにとって少しでも役に立てば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献

・世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術
 アイザック・H・ジョーンズ(著) Amazon

・食べ物が劣化する日本 
 安田 節子(著) Amazon

ひとり暮らしの健康学入門ついて

「ひとり暮らしの健康学入門」では、「大学生による、大学生が実戦しやすい健康法」を基本コンセプトにして、気軽に実践できる健康法とその知識を発信しています。 日々の行動を少し変えるだけで、自身の健康を維持向上できることを知って欲しい。そのような思いで記事を書いています。

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