File#8 学生空き家改修の新鋭 TINT

団体名はメンバーの頭文字!

今回は、まだ結成数ヶ月のフレッシュな団体にもかかわらず、昨年度の宇都宮大学SGDs推進学生社会貢献奨励賞を受賞するほど敏腕な、空き家問題に向き合う4人組を取材した。取材場所はもちろん改修中の空き家。武部大夢さん(宇大・地デザ・建築・4年)、五十畑尚人さん(宇大・地デザ・建築・3年)、中澤佑希さん(宇大・地デザ・建築・3年)、徳竹智可良さん(宇大・地デザ・建築・4年)。お気づきだろうか。その名も! 
TINT(ティー・イン・ティー)!

TINTの始まりは五十畑さん。建築デザイン学生団体UUADに所属しており、UUADに依頼が来た空き家プロジェクトを引き受けたのが2020年の夏。そこから学年も経歴も違うこのメンバーが意気投合し、絆を深め、独立団体としてTINTを立ち上げた。

【仲睦まじいTINTの4人】

改修計画は未定

この泉が丘にある空き家をなにかの施設にしたり、住まいにしたりすることなどの目的は確定させていないそうだ。理念は「空き家を作り替える過程から町に開き、地域を巻き込んだ空き家改修の場作りを目指す」。改修しながらこの場所の在り方を、オーナーと、地域と、学生と現在進行形で考えていく。そのために、TINTは改修が未完成の段階で積極的にワークショップを行っている。初回は、12月23日に開催した、建築都市デザイン学科の1年生のための模型作り。建築都市デザイン学科は”模型課題はみんなで徹夜してやる!”のイメージだが、コロナ禍で大学に来られなかった2020年度はその課題が少なかったという。これでは建築学生必須の模型制作スキルが上がらない。そこで、空き家に来てもらい、みんなで模型制作を行うとともに、学生と空き家を結びつけた。

第2回は町歩きのワークショップを行い、参加者みんなで泉が丘を散策し、その後、町や空き家を議題にディスカッションをした。この回は、コミュニティデザイン学科の学生が多かったという。5月9日の第3回はいよいよ地域住民にも対象を広げ、家具作りワークショップを行う予定だ。これからは、町歩きでわかったこの町の特性である「子ども」に注目し、教育学部生も巻き込みながら学習塾を開きたいと武部さんは語った。

【第1回模型作りワークショップでの完成品】

なぜ空き家なのか

泉が丘は、実は宇都宮市内でも人気の居住エリア。小中学校があり、駅も比較的近く、飲食店やスーパーにも困らない。新しい家がどんどん建って、住民の出入りが激しい。しかし、新しい人が入ってきて、出て行って……の繰り返しでは地域力が上がらない。もっと住民自身が一緒に町のことを考える場が必要だと考えた。一方、空き家は、オーナーに改修するための十分な費用がなく放置され荒んでいる。地域問題を解決するために、空き家というある意味「地域に根ざした建築」のポテンシャルは高い。空き家の可能性を広げ、持続的な関係性を作り、そこから資金を生み出し、それでまた別の空き家に着手するような空き家利活用の事業モデルをTINTは作ろうとしているのだ。

空き家改修やワークショップ運営の楽しさを分かち合えるメンバーを募集中だそうです!
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