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UUADのすがた
30年以上続いた宇都宮大学工学部建設学科建築コース(現在:建築都市デザイン学科)の建築展を学生主体で運営するために、自発的に組織されたのがUUADの始まりである。2020年3月に発足し今や40人弱のメンバーを持つ団体へと成長した。しかし、取材をした寺澤基輝さん(宇大・地デザ・建築・4年)曰くUUADは団体ではないという。どちらかと言えば「ネットワーク」でありUUADを活動の入り口にしてほしいそうだ。固定的な活動はなく、プロジェクトがある人や、やりたい人が主体的に取り組む環境になっている。UUADとして人とのコネクションやノウハウを築き蓄積させることで、やりたいことがある学生がそれを使って活動することができるというわけだ。
コロナ禍でメインの建築展の運営ができなかった2020年度は地域活動に力を入れた。空き家を改修したり、地域で活躍する先輩と交流するイベントを開催したりしている。ネットワークという言葉に相応しく、つながりがつながりを呼んでいる例がある。寺澤さんの所属する地域デザイン科学部では3年次に「地域プロジェクト演習」という、外部の人と一緒にまちの課題を解決する実践型の授業がある。そこで日光市の大和木材と知り合い、これを原点とした様々なつながりでコネクションを広げており、現在の空き家改修にも活きているそうだ。「File #5 can connect農業」とも共通の知人を介して知り合い、ポスターデザインや販売棚の制作に携わっている。
UUADのビジョン
まちをキャンパスにすることが夢だ。改修した空き家でゼミをしたり、学生が住み地域と関わることで、地域とのつながりも自然と身近なものになる。つまり、深く学べる環境=宇都宮大学を作りたいということだ。UUADは学生視点、学生ブランドで、学生と地域をつなげる拠点の役割を果たしていく。
宇都宮大学地域デザインセンターとUUAD共催の第2回ENMUSUBIは1年生が運営に携わっており、学年関わらず活躍でき、成功、時に失敗経験ができる活動環境の良さを体現している。寺澤さんが現在主体的に動かしているプロジェクトはほとんどなく、後輩に任せることを心掛けているそうだ。この実践的に成長できる環境や地域とのネットワークを長く持続させることも目的の一つであり課題でもある。夢の実現に向けて、さらなる活動の活発化とネットワークの広がりを期待している。