どうやら徹夜の確認ができるようになるらしい

 こんにちは、すみれです。随分更新が遅くなってしまい申し訳ございません。きちんと生きていますのでご安心を。さて皆さん徹夜というものをしたことがあるでしょうか? 実は「徹夜したかどうかを確認する方法」があるらしいということを最近知ったので記事にしようと思います。お楽しみください♪

朝型ですか、夜型ですか

 普段よく聞く「朝型か夜型か」という会話。実は、朝型か夜型かの違いは遺伝子の活動に基づいているということが明らかになっています。この傾向のことをちょっとだけかっこいい言葉で「クロノタイプ」と呼びます。このクロノタイプですが、体内の生理的な時間と時計が示す時間の食い違いを生んでいることがあるのです。これが「朝型夜型」の正体です。

 このクロノタイプに深く関わる体の仕組みが「概日時計 (がいじつどけい)」です。概日時計は約40%の遺伝子活性を制御しており、食事(空腹)、体温、血圧のリズムを調節しています。

 概日時計はそれぞれの細胞が違う概日時計を持っており、それらの情報は脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という場所に集まり、睡眠や覚醒サイクルのホルモンの制御が行われています。

血液から概日時計を調べる!

 今まで人間の概日時計を調べるためには「薄暮下メラトニン分泌開始時刻法」という方法しかありませんでした。この方法は、薄暗い空間でメラトニンという睡眠のリズムを調節するホルモンが体内でどれぐらい分泌されているのかというデータをもとに概日時計を調べる方法です。しかし、この方法では長時間何回も血液や唾液を採取しなければならないため実用化が難しいという問題点がありました。

 そんな中、なんと1つか2つの血液サンプルから血中のRNA量を測定することで概日時計をしらべる方法が開発されたのです!

 ここで皆さん疑問に思ったことがあるでしょう。「そんなこと調べて何になるのか」と。

 概日時計を調べることには医療の分野において大きな意義があります。例えば抗がん剤や血圧の薬は投薬する時間帯によって効果が変化することがあります。患者さんの概日時計を調べることで、薬をどの時間帯に投与すれば最大の効果を得ることができるのか分かるのです! この事は薬の量を減らし副作用も軽くすることにも繋がると考えられているため医療面で大きな期待が寄せられています。

 その他に概日時計を調べることはもうつ病などによる睡眠障害の症状の緩和といった面にも活用できると考えられています。

徹夜テスト

 

 最後に今回のタイトルにもある、「徹夜テスト」についての話です。上記の技術を使って人間の概日時計の遺伝子活性から徹夜したかどうか、つまり寝たのか寝ていないのかを調べることに成功した事例があります。

なんとその精度は90%越えです。

 この徹夜テストは大学生がテスト前に一夜漬けしたかどうかを調べるために開発された……という訳ではなく、運転手やパイロットなど徹夜が重大な危険につながる職業向けに開発されました。安全確保のためには十分な睡眠を取ることも重要ですしね。

お知らせ!

2月からしばらくTwitterスペースで「ミニりけとーく」として理系学生が科学の話をしていく予定です。原則毎週日曜日の19時から1時間ほどで開催していますので夜ご飯のお供にどうぞ。

(好評だったらりけとーく特別版もいつかするかもしれません)