File#7 足尾の森づくりイベント

足尾銅山鉱毒事件により環境が汚染され、荒廃してしまった栃木県の足尾銅山。そんな足尾銅山の緑を取り戻すために活動する「足尾に緑を育てる会(以下「緑を育てる会」)」という団体がある。今回はインターン生として、若者と「緑を育てる会」を繋ぐイベントを開催した村上茉鈴さん(宇大・地デザ・建築・2年)と、茉鈴さんと共に活動する枠元乙葉さん(宇大・地デザ・コミュ・2年)に取材を行った。

きっかけはとちぎコミュニティ基金

地域の資源(志金・人)を集めて様々な地域課題の解決を目指すとちぎコミュニティ基金というプロジェクトがある。このプロジェクトでは、学生の力を借りたい団体とインターンシップをしたい学生を繋ぐ活動を行なっている。村上さんは自身が建築学科であるため、木についてもっと知りたいと思い、「緑を育てる会」へのインターンシップ参加を決めた。

足尾には若者が必要

インターン生として「緑を育てる会」に関わっていく中で、運営メンバーが高齢化し、次の世代への継承ができていないという問題を知った。若者との繋がりをつくることが急務だと感じた村上さんは、若者を対象にしたイベントを企画した。しかし、1人でのイベントの企画運営は厳しいと感じ、友人である枠元さんを誘った。

企画も広報も知らない!

イベント開催を決めた2人だが、当時1年生だったこともあり、イベントの企画や広報は初めてで、何からやればいいかわからなかったと言う。そんな時に頼ったのが、地域デザインセンター (以下「CRD」)だった。

CRDでは主にイベントの名の工夫と広報ポスターの作り方についてアドバイスを受けた。イベント名は、当初考えていた「体験植樹指導演習」という硬い言い回しから、「足尾でたのしく森づくり!」に変更した。イベント名を柔らかい表現にすることで参加するハードルを下げることができたという。また、広報ポスターでは文字のサイズや画像の構図など、見やすく、見た人の参加につながりやすい表現方法を知ることができた。

実際にイベントを行ってみて

2人の必死の広報活動により、1週間という限られた期間で13人もの参加者を集めることができた。当日は植樹体験だけでなく自然について学びながら遊べるネイチャーゲームという遊びを行い、みんなで楽しむことができたという。2人は、想像を超えて参加者が楽しんでくれたのが嬉しかったと話す。

参加者の声

「植樹は大変だったけど楽しかった」「参加してよかった」などポジティブな意見が多かった。特に今回は宇都宮駅から足尾までのバスを準備したが、そのような移動手段があることがよかったという意見も寄せられた。

今後の展望

活動の中で見つかった課題も多く、今回の課題を踏まえて第2弾を行いたいと2人は話す。

イベントを行うことで植樹に関わる関係人口を増やし、イベントや小学生の植樹体験などを通し、サポーターとして足尾の森に携わってくれる若者を増やしていけるように今後も頑張っていきたいとのことだ。

学生の思いと視点がNPO法人の未来を変えることもある。そんな可能性の見える取材であった。